これが我が一族の能力〜鎌倉時代編〜
「ねぇ、明里ちゃん」
「なぁに?」



神社の近くにある古い公園。
怖がって誰も近寄らない場所。
昔から大人達はいう。
この場所に近づくと不幸が訪れるとか。




「ゆーくんの気持ち、明里ちゃんは……」
「気づいてるよ。でも、ゆうは何も言わない」
「明里ちゃん……」
「ごめん。愛美……あんたはゆうが好きなのに」


そう。
愛美はゆうが好き。
私は2人が付き合えばいいって思ってる。
ゆうと愛美はお似合いだと思う。



「ゆーくん、あんなだけど奥手だからね」



私たちは、しばらく公園で話しをしてから帰った。


ゆうにも愛美にも悪いと思ってる。
でも、このままの方がいいんだよ。
ごめんね。




そして。
家に帰りつくと。



“いつものように”お金と手紙があった。



仕事が忙しい母さんと父さん。
そして、二人とも不倫している。
私の弟の龍稀(りゅうき)。
剣道が好きで毎日遅くまで練習している。



私は、着替えて近所のスーパーへ買い物に行く。
育ち盛りの弟にコンビニ弁当ばかり食べさせれないし。




「ただいまー!」
「おかえり」


龍輝は周りを見渡す。



「また、帰ってこない?」




私は苦笑いしながらうなづく。



「仕方ねーな。父ちゃんたちは」



私たちは夕食をすませ、さっさと片付ける。
ご飯のあと、龍輝の眠気が来るのが早いから。



私も、昨日あまり眠れなかったから、早めに眠りにつく。
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