日直当番【完結】
「すいませんね。気が利かなくて。本当に重いですね。今日はそんなに荷物になるような授業なかったのに。何が入ってるんですか?」

「それは乙女の秘密だよ」

「乙女の秘密…ですか」

「あーはいはい。どうせ私は小学校低学年男子ですぅ」

「いつまで言ってるんですか?」

「私も根に持つタイプなんで」

 家に着いた頃にはもう真っ暗になっていた。玄関のライトが私たちの姿を照らす。

「無事についてよかったです」

「おおげさだよ。わざわざ送ってくれてどうも」

 玄関の前で進藤くんからスクールバッグを受け取って傘を返した。スクールバッグにはほんのりと進藤くんのぬくもりが残っている。

「身体の方をお大事に。じゃぁまた明日学校で」

 進藤くんは軽く手を上げた。

「うん。バイバイ」

 私は小さく手を振って進藤くんの背中を見送った。ぽつぽつある街灯の下に来る度に青いチェックの傘が浮かび上がる。それもすぐそこの曲がり角で消えてしまった。
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