日直当番【完結】
 昨日の事件により、今日から進藤くんは進藤 without 眼鏡になった。すべては私が悪いのです。私がひとりで無理して蛍光灯を取り外そうとした結果、蛍光灯を割ってしまった上に、進藤くんの眼鏡を割ってしまうだなんて。誠に申し訳なく思っております。

「そこ、仲良しこよしで何机くっつけてんだ。どっちか教科書忘れたのか?」

 まわりは私たちを見てくすくす笑っている。なんだよ「仲良しこよし」って。

「黒板が見えないのでノートを見せてもらっているんです」

「そうか。眼鏡忘れたのか?」

「壊れました」

 ごめんなさい。

「それじゃ仕方ないな」

 進藤くんは私のノートを見ながら授業を受け始めた。私が見られているわけじゃないのになぜだか緊張してしまう。私は進藤くんの横顔を盗み見た。私のノートを見ながらシャーペンを忙しなく走らせている。ノートをしばらく見ていた目がふと流れて私に向けられた。目が合った。

「どうかしましたか?」

 私のシャーペンを持つ手が止まっていた。

「…別に」

 こりゃ大変だ…。

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