唯くん、大丈夫?

「まったく…。ほら九条、テスト頑張ったご褒美」


てらちんは唯くんに苺バニラプリンを渡した。


「もう無理すんじゃねーぞ。羽根村に心配させてたら世話ねーからな」


「…」


「…なんだ?」


「センセー、イケメン」


「それな」



唯くん、無表情だけどすごく嬉しいんだね。目がキラキラしてるね。よかったね。



「もうあんまり時間ないからさっさと食え。3限遅刻すんなよ。じゃーな」



てらちんが保健室から出ていくのと入れ替わりに、出払っていた保健の山尾先生が入ってきた。



「あら、寺田先生もう行っちゃうんですか?」


「ええ。授業の準備があるので。何かありましたか?」


「あっ、いえいえ。お疲れ様ですぅ。フフ」


てらちんを見送った山尾先生が、桃色の吐息を吐いた。




唯くんと2人、山尾先生を見つめる。



「…」




「な、なによ…?」




ニヤニヤ見てると山尾先生が「元気な人は教室戻りなさい!」と怒って、私と唯くんは保健室を追い出された。



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