唯くん、大丈夫?
「…桃菜が言いたいことはよくわかるよ。」


みね君が自分のグラスに生ビールを注ぎながら真面目なトーンで言う。


「でも俺たちは、俺たちのペースで前に進もうって決めたの。心配してくれてありがとう、桃菜。」


「…」


強い言葉と裏腹にニコニコ穏やかに笑うみね君が、眉間に皺を寄せて黙るモモちゃんのグラスに自分のグラスをカチンと軽く合わせた。






…そうだ。

私たちは、私たちのペースで進んでいけばいい。





「…別に心配なんかしてないし」


モモちゃんが照れ隠しなのかそのビールを勢いよく飲んで、みね君もゴクゴクと生ビールを美味しそうに流し込む。




「…ッアー。うめ〜」



「…」



「ん?どうした、優花」




ぼんやりとみね君の横顔を眺めていた私に気付いたみね君が首を傾げて覗き込む。




「ん?んーん。なんでもないよ!」




ヘラヘラする私に何か言いたげなみね君は、種田君に呼ばれて腰を上げた。








些細な色んなことを、重ねてしまう










だめだ、こんなんじゃ。




…進むんだ。前に。





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