唯くん、大丈夫?

見たい。

…とはいえ。


くのいちをなかなかやめられないザ・チキンこと羽根村優花は、

唯くんのクラスの後ろの扉からそーっと覗く。

唯くんの席は……いた。

自分の席に座ってる。











静止画?

ボーッとしてるなぁ…唯くん。

まぁいつもボーッとしてる感じだけど。


…ん?

なんか違和感。


…ハッ!

唯くんの机にあるのは、いちごミルクのパック。

…封があいてない…だと…?

唯くんは大好物のいちごミルクがあると、即開けて一瞬で飲み干してしまうという性質がある。

それもダイ⚪︎ン並の吸引力で。

つまり、目の前にいちごミルクが封を開けずに置いてあるということは、ありえない…!!


んん?

委員長が何か話しかけた。

顔の前で手を振ってる。

反応がないのを確認してるみたい。


…あれは、猫耳カチューシャ!?

委員長、それはさすがにダメだよ!

そんなことしたらメガネ叩き割られ…

ない!?

叩き割られない…だと…!?


委員長がどこから持ってきたのかめちゃくちゃ立派な一眼でいろんな角度からバシャバシャ撮ってるのに、微動だにしないなんて…
< 51 / 456 >

この作品をシェア

pagetop