唯くん、大丈夫?
Clumsy

紫藤ユリア。

「…やめ!後ろから答案まわしてー」




先生の声を合図にシャーペンを置き、前の席の美琴に答案を渡す。




「…終わった。」

「うん、終わったね。」


美琴が自分の答案をのせて前に渡す。


「色んな意味で終わった。」

「それ毎回言ってない?」

「それな」



5日間に及んだ学年末テストは、私の頭が勉強モードに切り替わる前に終わりを告げた。




「さて、ご褒美食べに行きますか!」


「ぃやったぁー!!あ、その前にトイレ行っていい?」


「ん、私も行く。」





美琴と横に並んで好きなケーキの話に花を咲かせながらトイレに向かう。



事件があってからの数日間。

美琴は可能な限りずっと私にくっついている。

なるべく私を一人にしないようにしてるんだと思う。多分。

おかげで美琴といる間は悲しいことを思い出さなくて済んでいて、とても助かってる。





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