たとえ9回生まれ変わっても


何度もつっかえながら、ようやく読み終える。


わたしは恥ずかしさで顔をあげられずに、席に座った。


この先生は、いつもこうだ。


わたしのことが気に入らないらしく、名指しで当てては、英語ができないことを馬鹿にする。


損だよな。

見掛け倒しだよな。

かわいそうにな、って。

ちっともかわいそうだなんて思っていない口調で。


それを言われるたびに、わたしは悔しくて泣きたくなる。


ただ見た目が人と少し違うだけで、どうしてそんなことを言われなきゃいけないんだろう。


ひそひそとささやく声。

誰かがぷっと笑う声。

誰のものかもわからない声に、わたしは耳を塞ぎたくなる。


先生はそれには何も言わずに、黒板に向き直って授業を続けた。


チャイムが鳴った。


やっと、長い一時間が終わった。


英語の時間が、わたしはいちばん嫌いだ。



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