ずっと探していた人は
花木(はなき)じゃん」

「だな」

中川くんと徹が顔を見合わせて、ニヤニヤする。

一方で大橋くんは、自分が呼ばれたのが意外だったのか、「俺?」と自分のことを指さしながら、席を立った。

「見かけない顔だね~」

由夢の言葉に、大橋くんの背中を見ながらうなずく。

「野球部のマネージャーだよ」

ニヤニヤしたまま徹が教えてくれた。

「どうしてそんなにニヤニヤしてるのよ」

私の問いかけに、中川くんがニヤニヤしたまま答えた。

「大橋のこと、すきなんだぜ」

「な、絶対そうだよな」

徹が中川くんに同調する。

「へえええ、大橋くんのことを!」

由夢は少し驚いた様子で、背中を反らした。

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