青に染まる
 顔を洗い、身なりを整えて店の方に向かう。不定休の僕の花屋は僕の気紛れが起きない限り、ほぼ毎日営業している。そして基本的には、午前九時開店だ。

 自宅と店を繋ぐ通路を歩いて店の戸の鍵を開け、外のシャッターを持ち上げる。

 がらがらという重々しい音を伴い、緞帳(どんちょう)のように上がっていくシャッター。

 太陽はさしずめスポットライトといったところか。スポットライトよりかなりの広範囲を照らす太陽は、いつ見ても偉大だなと思う。

 太陽を出来損ないの敬礼の形で見上げ、今日も一日が始まったなと思う。
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