敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
大地さん以外、好きになれません
大地さんから、【三十分くらい遅くなる】とメッセージが届いたから、おかずをもう一品多めに作ることにした。

料理は彼がフライト中の不安な気持ちを紛らわすのにちょうどよくて、最近はけっこうはまっている。クッキーなどのお菓子を焼いたりもしていた。

彼と北海道に行き、私の飛行機恐怖症はましになったのではないかと一瞬思ったけれど、やはりそんなに甘いものではなく、今も彼のフライト中は気が気ではなく、取り乱してしまいそうになるときもある。

あのときは彼がそばにいてくれたから、特別だったのだろう。

「ただいま」

玄関のドアが開く音がして、大地さんの声がした。

「おかえりなさい!」

駆けつけて笑顔を向ける。

すると私を一目見た彼は、緊張がふっとほぐれたような顔をして、いきなり肩を抱き寄せた。

「どうしたんですか? なにかありましたか?」

大地さんがこんな感じなのはめずらしい。動揺しつつも、彼の背中に手を回した。

「すっげー疲れた。晩ごはんなに?」

「メインは大葉とチーズの肉巻きです」

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