敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「ふうん、おいしそう」

「めちゃくちゃごはんが進みますよ。ほかにもおかずがありますから、たくさん食べてくださいね」

「うん」

素直にうなずく大地さんにキュンとした。

こんなふうに甘えられるのは初めてで、なんだかすごくかわいらしい。私をなかなか放してくれず、しばらく玄関で抱き合った。

彼がお風呂に入っている間に、料理をダイニングテーブルに並べる。

そのあと四日ぶりにふたりで食事をした。彼はフライトで月の三分の一は家を空けるから、貴重な時間だ。

「俺の母親がちえりに会いたいって言ってるんだけど」

食後、どこか気乗りしない様子で彼にお母さまとの顔合わせを打診された。

「もちろん会わせていただきたいです」

私のほうは両親だけでなく、祖父母にまで挨拶をしてもらったのだ。離婚問題は宙ぶらりんの状態でも、一刻も早く日取りを決めたいくらいだった。

「俺の母親は少し、いやかなり癖があるが大丈夫か?」

「大丈夫です」

どんな人でも大地さんを産んで育てたお母さまなのだ。

私と大地さん、お義母さまの都合を合わせ、早速五日後に会うのが決まる。

ドキドキわくわくしてきた。


< 76 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop