日本から出られない!
私、小日向桜(こひなたさくら)には自慢の幼なじみがいる。それは日本前(ひもとぜん)くんだ。

サラサラしたブラウンの髪に、キラキラした大きな目は宝石みたいで、芸能人と名乗ってもおかしくないほどのイケメンで、スタイルも雑誌に載るようなモデルさんのようである。

そんな前くんは見た目がいいだけではなく、勉強はクラスで常に一番で、運動神経もよかったからスポーツでも一番だった。だから、男子にも女子にも注目されていて、同じ学校の生徒なら誰も名前を知らない人はいないくらいの存在。

一方、私はと言うと、勉強はそこそこできるけど運動は本当にできない。運動会のリレーでは必ずビリになる。

何もかも完璧な前くんと、パッとしない私。こんな正反対な私たちがどうして幼なじみなのかと言うと、互いの父親が警察官だから。

私のお父さんと前くんのお父さんは、警察学校で出会って良き友、良きライバルとして共に学び、今では捜査一課で活躍する刑事だ。前くんもお父さんたちに憧れ、警察官を目指している。
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