オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
鬼部長の包囲網
　柚には、実家から戻ってすぐに、今回の犯人と疑われた経緯を伝えた。両親と誉から柚に謝罪したいと言っていた話を伝えると、当然の如く断られた。

「誤解なんですから、謝っていただく理由がありません」

「兄貴には少なからず責任があるけどな」

「誉さんも被害者じゃないですか」

「柚は優しいな。文句のひとつでも言っていいんだぞ。怖い思いをしたんだから」

「そんな。大丈夫だよ」

「今回の事もあって、ぜひ両親が柚に会いたいと言ってるんだ。一度実家に一緒に来てもらえないか？」

「私なんかがお邪魔していいの？」

「俺には柚しかいないんだから、いいに決まってるだろ？というか会ってほしい」

「わかった」

「あとは、柚のご両親にも一度ご挨拶に伺いたいな」

「そんな。遠いので。気にしないでください」

「好きな女性のご両親なんだから気になってあたりまえだろう？北海道だったら美味しい物が食べれそうだ」

「あれ？北海道って話したっけ？」

　好きな女性発言は、サラッと流されたようだ。


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