オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 息を潜めていると、決定的な言葉が発せられた。

「最近、俺達の会社の業績が落ちてきたのは、ユニバースエージェントのせいだ。玲奈、もう少しそっちで情報をリサーチしてくれ」

 響も柚も目を丸くする。どうやら、高木の相手の裕太は、ライバル会社の人物のようだ。高木がまだ、重要な仕事もしていないし、今の段階では社内で飛び交う会話を聞いているだけだが、知らないままだと大変な事になっていた。

 しばらく会話を続けていた高木と彼氏は、先に席を立った。そこで、響はまたスマホを操作している。

「何かしてたんですか?」

「ああ、あいつらの会話を録音してたんだ」

「えっ⁉️」

「証拠がないとな」

「はあ…」

 流石、若くして部長にまで出世しただけあると感心する。何事にも抜かりない。

「相手もわかったしな」

「そうなんですか?」

「どこかで聞いた事のある声だとは思ったんだが、思い出したよ。企業コンペで何度か会ったことがある」

「そうなんですね…」

 

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