オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
「「えっ?」」

 突然笑った響に、双子は声を揃えて振り返る。

「すまない。二人の後ろ姿を見て、柚の話を思い出してしまって…」

「何話したんだ?」

「えっ、笑われる事は…」

「私の身長は全部楓に持っていかれたって。確かに、楓くんも俺くらいの身長があるから、柚とは双子に見えない」

「プハッ。柚は、ずっと小っこいだろ?生まれた時の身長と体重は変わらないんだから、俺関係ないじゃん」

「だって〜双子なのに〜」

「性別が違うんだし、二卵性だからソックリってわけでもないし、人のせいにするなよ」

「不公平だ」

 響は、双子のやり取りを見て微笑ましく思うと同時に、彼氏に間違われるのも納得した。自分も、聞いてなければ仲の良いカップルだと思ったに違いない。でも本当に、楓くんがライバルでなくて良かったと思う。

 案内された二人の部屋は、シンプルで綺麗に片付けられている。そして、キッチンからはいい匂いが漂う。






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