オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 誉は慣れた様子でリビングのソファーに座る。柚は、荷物を持ってキッチンに入った。

「誉さん、コーヒーでいいですか?」

「ああ。ありがとう」

 使い慣れたキッチンで、コーヒーを入れ誉の前に置いた。

「キッチンで料理してていいですか?」

「ああ。俺の事は気にしないで。いつも通りどうぞ」

「はあ」いつも通りと言われても違和感しかない。

 お兄さんとは言え、勝手に上ってもらった事が気になるので、柚は響にメッセージを送っておいた。そして、いつも通り料理をする。

 今日は、炊き込みご飯とおかずを数種類作り置きするつもりだ。料理している間にすっかり誉の存在を忘れていた。

 炊き込みご飯が炊けた合図と共に、「いい匂い〜」と目の前のダイニングから声を掛けられビクッとしてしまう。

「あれ。ビックリさせた?俺の存在忘れられてた…」

「すみません」
 
「謝らなくてもいいよ。邪魔してるの俺だし」

「あの、完成したので私帰りますね。たくさんあるから、響さん帰って来たら一緒に食べて下さい」





 
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