エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
旅に出る


秋本家に帰った優杏は、鈴原の紹介で何種類かの予防接種も順調にこなした。
バンコク経由でケニア行く航空券と滞在するホテルの予約もできた。

ケニア旅行の準備は着々と進んでいる。

片岡家を出てからしばらく経つが、煌斗からはなんの連絡もなかった。

(やっぱり気がついてないんだ)

三谷は約束を守ってくれているらしい。
屋敷にムサシがいたら、優杏が出て行ったとは思わないのだろう。


もうすぐ夏が終わる。
9月になったら、いよいよ出発だ。二週間の旅を計画しているだけだが、
未知の大陸を目指すことで、優杏の気持ちは高鳴っていた。

(この旅行から帰ったら、煌斗さんと話さなくちゃ)

彼には避けられ続けたし、もう嫌われているかもしれない。
でも、優杏は彼を愛しているのだ。離れてもきっと愛し続けてだろう。

(でも、彼にはジェニファーさんがいる……)

自分が彼を忘れることができるかどうか、答えを知るために旅立つのだ。



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