禁忌は解禁された
一颯と井田
「「「一颯、本当に!!ごめん!!」」」

志乃、実子、可奈の三人が、一颯に頭を下げている。

一颯と井田は後日、志乃達に誘われてホテルのレストランに来ていた。

「もう、いいって!!」
「井田さんも、すみませんでした!」
「いえ。俺の事はいいんです。姫さえご無事なら!」
「井田さんって……」
「え?」
「あ、いえ!
……………それより!今日は私達の奢りだから!」
「……って言っても、バイキングだけどね(笑)!」
「一颯、井田さんも!お腹いっぱい食べてください!」

「いいのに……」
「俺の分はお気になさらないでください!少し離れた所にいますので……!四人でごゆっくりどうぞ!
今日は、組長にもちゃんと許可を得てますので!」
微笑み言った、井田。

「今日は、井田さんも一緒に食べましょ?」
「しかし……」
さりげなく、一颯を見る井田。

「みんなそう言ってくれてるから、お言葉に甘えよ!」
一颯が井田に微笑む。

「姫がよろしいなら……」
「うん!みんなで、食べよ!
私、バイキング初めてだから、楽しみ!!」
「そうですね!」

「え……一颯、バイキング来たことないの?」
実子が不思議そうに言う。

「うん」
「さすが、お嬢様……!」
可奈も、クスクス笑う。

「では、俺が席にいますので皆さんで行かれてください。姫をお願いします」
「はい!わかりました!一颯、行こ!」
「うん!」


「沢山あって、迷うね!」
「一颯、こうゆうのは、少しずつ入れて全種類食べるもんなのよ!」
「へぇー!でも、全種類は無理じゃ……」

ワイワイ話しながら、少しずつ入れていく一颯。

「一颯」
「ん?」
「井田さんって、銀二さんみたいだね!」
志乃が、席に座っている井田を見ながら言う。

「え?そうかな?
でも、よく言われるよ」
「…………美人は罪よね(笑)」
「え?」
「モテるって羨ましいけど、大変そう……!」
「え?志乃?」

「颯天くんに、銀二さん、井田さんって……イケメンばっかだし!でも、なんか三人って似てるよねー!」
「え?え?」

「ここで、暁生がいたら……もっと……!」

「あれ?姫だ!!」
「え?暁生くん!?
え?今日は、颯天と銀くんと仕事じゃ……」
「うん。ここの上で仕事中だよ!
組長と若は、商談中……!俺は買い物頼まれたんだ!
そしたら、姫を見かけて」

「暁生、あんた何やってんの?
しかも“姫”って……組員じゃないんだから!」
志乃が割って入ってくる。

「あ、志乃…実は………」
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