「待ってて……フェリーネ」

そう耳元で囁けば、彼女が笑ったような気がした。

朝、またいつも通り一緒に朝食を取った後、別れるのはお互いにとって良くない気がした。
感傷的になり、寂しくなってしまうだけだ。俺の使命にも影響が出る。

フェリーネに触れ今感じる力と幸福感を持ったまま、俺は行きたかった。
最後にもう一度彼女に触れるだけの口づけをする。
ベッドから出て、家をでようとしたが、不意に自分の手に一つだけはめていた指輪が視界に入った。

それは、緑色の石が埋め込められたシンプルなもので、石には魔力が埋め込まれている。
俺の代わりだと思って、大切にしてほしい。きっと彼女のことも守ってくれるはずだ。
そう思うと、彼女に上掛をかけなおすと、俺は静かにベッドから出た。

まだ、薄暗い中、俺はフェリーネの家を後にした。
絶対に戻るから。そう決めて。