クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
辺境の竜騎士
「彼女の様子はどうだ?」

 執務室で書類に視線を落としながら、デーセオはティメルに尋ねていた。

「そんなに気になるのであれば、ご自分で会いに行かれればよろしいのでは? 同じ屋根の下におりますので」

 ティメルが答えると、その書類から視線をあげ、デーセオは彼をじろりと睨んだ。

「俺が聞きたいのはそういうことではない。彼女の力のほうだ」

「ああ、その件でしたか。どうやら彼女が聖なる力を失ったというのは、本当のようですね。まったく力を感じることができません」

「そうか」
 そこでまたデーセオは書類に視線を戻した。

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