クールなご主人様は溺愛中

大切な時間

「名前、聞けたんだぁー」


次の日の朝、れんげちゃんに名前を聞けたことを報告する。


「うん。ありがとう、勇気づけてくれたおかげだよ」


「うん。それで、名前、なんだったの?あっ、言いたくなかったら言わなくてもいいからね。
同級生って、気になって......」


うーん、あれだけ人に名前を教えてなかったんだから、言われたくないよね。


「やめとくよ。ごめんね」


「いいの。私の方も言ってないし」


ふんわりと笑ったれんげちゃんには、マイナスなオーラなんて1ミリも感じない。


「おはよう」


悠くんが隣の席に座って、こっちを見ている。


「おはよぉ」


「おはよう」


「里奈ちゃん、指どうしたの?」


さっき、れんげちゃんにも聞かれたんだよね......。


「針、刺しちゃって」
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