智秋の指先が私の顎を持ち上げて、軽く触れるだけのキスが落ちる。

 空腹を忘れるほどの甘い感触に心臓が大きく音を立てた。

「覚悟しておいて」

 意味ありげに囁くと、智秋はなにごともなかったように楓花を抱いて食卓についた。

 私がすぐに動けなかったのは、動揺とときめきで顔が熱くなったせい。

 結婚して子供もいるのに、いつまで智秋にどきどきさせられ続けるのだろう。

 きっと一生なのだろうなと思いながら、一瞬だけのキスを振り返ってまた幸せな気持ちに浸った。