イケメンを好きになってはイケません⁈
第6章 ケガと告白、そして【聡子サイド】
 森下くんが引っ越してきてからしばらくは、何事もなく過ぎていった。

 30分以上余裕を持って会社に出かけるわたしと、いつもギリギリの彼。

 定時で帰るわたしと、毎日、残業の彼。

 生活時間が完全にすれ違っているので、行き帰りでバッティングすることはなかった。

 
 それから1週間経った、日曜日の夕方のことだった。

 ベッドに寝転がって、何の気なしに雑誌をめくっていると、ドアフォンのチャイムが鳴った。
 1階ではなく、部屋に付いているほうのチャイムだ。

 日曜のその時間帯は、母や兄が訪ねてくることが多かったので、そのつもりでドアを開けた。

「ど、どうしたの? いったい」

 でも、そこにいたのは、右手にタオルをぐるぐる巻きつけている森下くんだった。
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