【完結】私、実はサレ妻でした。
◎私、実はサレ妻でした。

【プロローグ】



「パパ~!サッカーしよっ!」
  
「ずるい!ぼくもやるっ!」

「よーし!じゃあ三人でサッカーやるか!」

「やったぁ!」




 私たちは、どこにでもいる普通の家族。
 妻、そして母親である私【実乃梨(みのり)】と。夫、そして父親である【奏雨(かなめ)】。
 そして可愛い子供にも二人恵まれ、私たちはどこにでもいる普通の家族として生活している。

 夫は優しくて、子供のこともよく面倒見てくれる。
 子供と休日は遊んでくれるし、子育てにも積極的に協力してくれる。

 私にとっては、何にも文句のない父親だ。
 私のことも愛してくれていて、結婚記念日や誕生日には素敵なアクセサリーなどをくれる。
 文句の付けようがないくらい本当にいい夫だ。



「じゃあママ、子供たちと公園に行ってくるよ」

「うん、行ってらっしゃい。気をつけてね!」
 
「ああ、じゃあ行ってくるよ」

「ママ~いってきまーす!」

 公園へと出かける夫と子供たちを見送った後、私は家の中の掃除機をかけていく。
 ゴミを纏めてゴミ袋に入れて、袋の端を縛っていく。 そしてテレビ台や電気の周りの埃を、ハンディモップでからめとっていく。



「ついでだし、寝室と書斎も掃除しちゃおうかな」

 私は夫婦二人で寝る寝室と、夫が仕事部屋として使っている書斎も掃除することにした。
 夫の書斎はいつも掃除しなくてもいいと夫は言っているけど、たまにはやってあげてもいいわよね?
 
 そう。その時の私は、そんな軽い気持ちでいたんだーーー。
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