わたしがレリウスさまにネコパンチした日から五日が経った。
 朝日とともにネコの姿に戻ったわたしは、大急ぎで屋敷に駆け込んで、居間やレリウスさまの寝室、果てはバスルームまで見て回ったが、どこにもレリウスさまの姿はなかった。
 ……なんで? どうしてレリウスさまは、全然帰ってこないの? 節目の日でもある今日は、レリウスさまと一緒に過ごしたかったなぁ。
 実は、今日はわたしが生後一年を迎える節目の日でもあった。一年前の今日、東の空に月が現れるのと同時にわたしは生まれたそうだ。
 お祝いもプレゼントも、特別なものはなにもいらない。レリウスさまが抱きしめてくれたら、それだけでいいのに……。
 わたしはしょんぼりと肩を落とし、怠さの抜けない体を引きずるように玄関に向かう。もしかすると、レリウスさまが朝帰りするかもしれない。
 一縷の望みを託して玄関にお座りし、レリウスさまの帰りを待った。頭の中では、どうしてレリウスさまが帰ってこないのか悶々と考えていた。