絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 五十騎程度の部隊編成というのは、かなり規模が絞られている。当然だが国同士の戦争とか、そういう類ではあり得ない。
 かといって、騎士団長自ら指揮を執るのだから、目的が盗賊や強盗団の退治という可能性は低いだろう。これは、もっと政治的に重要な意味を持つ出陣のような気がした。……そう。掃除係の女性が言っていた通り、国王様からなにかしらの密命を受け、レリウスさまが少数精鋭の部隊で国内の反乱分子の征伐に向かうと考えるのが自然だ。
 いまだ騎士たちの姿は見えないが、これだけ準備が進んでいるとなれば、出発はもう間近だろう。
 レリウスさまが行っちゃう前に、ひと目でいい。会いたいよ――!
 わたしは大急ぎで中央棟に向かいかけ、ふと思い直して足を止めた。
 ……ううん。今から中央棟に向かっても、レリウスさまと合流できるかなんてわからない。下手をすれば入れ違いになって、会えないままレリウスさまが出発してしまうかもしれない。ここで待っていれば、少なくとも顔を見ることはできる。
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