嘘でしょう!? 部隊員の裏切りを伝えられないまま、レリウスさまが行っちゃた……って、こうしちゃいられない! 今からでも後を追って、なんとしても知らせなくっちゃ!
 わたしは慌てて、レリウスさまが上っていった階段へと足を踏み出す。なんとか起きて動くことができるようにはなったものの、相変わらず体は怠いままだった。
 よろめきながらなんとか上りきり、前足で入口の扉を押す。しかし、重たい金属製の扉はビクともしない。
 ……ぅううっ、ダメだ。ネコの力じゃ、全然無理だよ。
 このままじゃ、レリウスさまたちが大変なことになっちゃうのに……っ!
 レリウスさまのピンチを知りながら、なんにも役に立てない。不甲斐なさに涙が滲んだ。
 もう、魔物だってバレちゃったっていい。ちゃんと言葉にしてレリウスさまに伝えたい。わたし、人間になりたいよ――!!
《ふみゃああっ(レリウスさまぁ……っ!!)》
 祈るような思いで、レリウスさまの名前を叫びながら渾身の力で扉を押した。