絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
《ふみ~ゃ(ぷはぁ、おいしかったぁ。もう食べれな~い)》
 お腹がくちいって、なんて幸せ♪
「はははっ、満足したか」
 空っぽになったわたしのお皿を見たレリウスさまは、笑みをこぼして席を立った。
 ん? レリウスさま、どこに行くの?
 レリウスさまはスタスタと広い食堂と間続きになっている居間に向かい、棚からブラシとグルーミングスプレーを取り上げてわたしを振り返った。
「さぁ、ルーナ。次はブラシをかけてやろう」
 目にした瞬間、わたしはピョンと椅子から跳び下りる。
《ふみゃっ(ブラッシング!? やったぁ~っ!)》
 テテテッと駆けていき、レリウスさまの足にバフンッとダイブする。ただし、できるだけ爪を立てないように慎重に。
「よしよし。ルーナはブラッシングがよほど気に入ったようだな」
 レリウスさまは足もとに引っ付いたわたしの脇腹を左手で掴み、掬うように抱き上げてソファに向かう。
《みゃーっ(そりゃあそうよ。ブラッシングしてもらうのって、とろけちゃうくらいに気持ちいいんだから)》
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