あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる

「あらぁ~いらっしゃい。桜、元気だった?」

部屋の合鍵で家に入った私たちは、お母さんの部屋のドアを開けた。
お母さんは、私の顔を見ると、嬉しそうに笑顔を向けた。

「お母さんこそ、身体の調子はどう?」

お母さんは、ニコニコと笑いながら、コクコクと頷いた。

元気そうだ。

母の元気そうな姿に、ほっと胸をなでおろした。

今日は良い天気だ。
少し開けた窓から、風が気持ちよくカーテンを揺らしている。


すると、母は間もなくして、私の後ろに立つ悠斗さんに気がついた。

「桜、ご一緒の方はどなたなの?」

突然一緒に現れた悠斗さんを見て、母は少し怪訝な顔をした。


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