憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
周りのみんなはまたそれを目で追ってる。


あまりに颯爽と歩く先生の姿、思わず見たくなる気持ちはすごくわかる。


すぐさま私に先生との関係を聞いてくる同僚達。


まるで芸能レポーターみたいに群がる。


昔「家庭教師」だったと言ったらみんなすぐに納得してくれた。


『良かった~ただの家庭教師と生徒の仲だったんだ~』


『いきなり恋人とか言われたら冷めてたわ』


『ナイナイ。あんなイケメンと優木さんが付き合ってる訳ないじゃない』


『だよね~』


『やっぱり私、部長のことゲットするから』


ずいぶんみんなで勝手に盛り上がってる。


もう苦笑いするしかない。


先輩達は本気で千隼先生を狙ってるのかな。


この調子じゃあ、もし「彼氏」だなんて冗談言ったら、何を言われるかわからないな。


まあ、言ったところで絶対誰も信じてくれないだろうし、そんな現実は有り得ないから。


それにしても、結局、晴月部長って呼べなかった。


千隼先生から晴月部長に…


早く切り替えて慣れないといけないな。


『仕事、頑張ろっ』


私は小声でそうつぶやき、席を立った。
< 44 / 169 >

この作品をシェア

pagetop