アイドルと私。
第6章
「よいしょっと…」

ついつい買いすぎちゃったかもしれない。私は今日お休みで予定も特に無し。雅人くんは朝から夜までお仕事みたい。なので、今日がベストタイミングかな?と思って、スーパーへ行ってお買い物、両手いっぱいに塞がる量。食材と調味料と保存用のタッパー。それらを買い込んで、雅人くんの家に向かう。

「お邪魔します」

誰も居ないけど一応声を掛けて。エントランスで鞄から鍵を取り出す時、買ってきたものが袋から落ちそうだったのを間一髪で阻止した私を褒めてあげたいぐらい鍵を取り出すっていう行為に凄い労力を取られてしまった。

「冷蔵庫開けるね。」

1人しか居ない空間だが、留守中に勝手にやるのはまだ気が引けるからついつい声を出しちゃう。とりあえず今すぐ使わないもの以外は冷蔵庫に一旦入れて…冷蔵庫の中身を改めて見ると、お茶とお酒とヨーグルトしか入っていない。本当に料理を一切しないんだ。まぁ男性の一人暮らしってこんな感じなのかな?本当に最低限の塩コショウだけキッチンの上に置かれているけど、それ以外前回私が買ってきた調味料以外何も無い。今日ちゃんと改めて買ってきて良かったって思う。
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