尊からの素敵すぎる夢のようなプロポーズを受けてから一週間後の本日、五月吉日。美桜は晴れて尊の妻となった。

 徳川家とゆかりのある『東京プレジデントホテル』のクラシックな洋館で親族のみで執り行われた挙式も無事終え、その昔皇室のリビングとしても使われていたという、レトロな趣ある洋館の一室で尊とふたりきりでゆったりと過ごしている。

 父の弦や継母の薫、兄の愼は相変わらずではあったが、祖父の弦一郎とその親戚筋に当たるお手伝いであり美桜の世話係でもあった麻美に至っては、涙を流して喜んでくれていた。

 実際には政略結婚なので、そうとは知らないふたりを騙しているようで、複雑な心境だったが、尊に淡い恋心を抱いている身としては喜ばしいことでもあった。

 そんな風に美桜が思えるのも、終始寄り添うようにして傍でさりげなく気遣ってくれていた尊のお陰だ。

 いつしか夜も更け、胸が一杯で食べ物などもう入らないと思いつつも、ディナーとして出された美味しい料理に舌鼓を打ちながらお酒も味わったせいか、一時間が経過した今でも、アンティーク調のソファに背を預けている美桜は、ほろ酔い気分で夢心地のなかにいた。

 その隣には、夫になったばかりの尊の姿があり、琥珀色に艷めくブランデーが注がれたグラスを優雅に傾けている。

 美桜が尊の端正な横顔をぼんやり眺めていると、不意に尊が耳元に顔を寄せてくる。

「ぼーっとして、また酔ったのか? 酒を飲むのはいいが。酒に飲まれて、酔い潰れてくだを巻くお前を介抱する俺の身にもなってくれよ?」
「////ーーッ!?」

そして先週のプロポーズを受けた夜のことを揶揄されてしまい、見る間に真っ赤にさせられてしまった。