こいろり!
05.お嬢様の恋




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たい()

昨日はいっしょにおばあさまのところに行ってくれてありがとう。

おばあさまのことはだいたい分かっていたことなの。なのに、たい良には泣いてめいわくをかけてしまったわ。はずかしいっ。本当にごめんなさい。


たい良のおうちのケーキを食べて、なつかしい味っておばあさまは言っていて、すごくうれしかった。
小さなころから、おばあさまといっしょにおやつでケーキを食べていたの。きっとそれがたい良のおうちのケーキだったのね!私のことはおぼえてなかったけど、おばあさまが少しでも昔のことを思い出してうれしそうな顔を見せてくれた。それだけで、じゅうぶん良かったと思うの!

私がママとパパとバンコクへ行かなかったのは、おばあさまを1人にしたくなかったの。だから、ママとパパと別れてくらすのはさみしいけど、ムリ言って周と日本にのこったの。


それに、はじめて乗った自てん車はとても新せんだったわ。周には2人乗りはいけませんと注意されてしまったけれど、私は楽しかったのよ。怖くなんて、ぜんぜんなかったわ!

昨日は何も言えなかったけど、たい良が周に言ってくれたことばも感動した。私のために、私のことを考えてくれて、おこってくれて本当に感しゃしているわ。

たい良がおこってないなら、またいっしょにおばあさまの所に行ってほしいの。

たい良のおうちのケーキが大好き!
また、会えるの楽しみにしているわ。


華花より

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「…………長くね?」



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