こいろり!
12.少年の恋3





「女児の体を触ったとして男子高生が逮捕された事件です。子犬を飼っていると小学3年生の女児を自宅に呼びよせたとして◯◯市内に住む高校2年生の男子生徒が強制わいせつ罪で逮捕されました。なお、男子高生は容疑を認めており──」


ぶちっと、リモコンのボタンを押して、テレビ画面を消した。




「おい、泰良。ニュース勝手に消すなよ?」

「…………」


文句を言う兄貴を無視して居間の襖をピシャリと閉めると、今度は璃香子の声が台所の方から聞こえた。



「あ、泰良くん。いってらっしゃーい!」


璃香子がうちに来てから、ご飯は皆で食べましょうという雰囲気に包まれ、朝は早く起こされ規則正しい生活を強いられている。





「……ちっ、面倒(めんど)くせー」


家から出ると、眩しい朝陽と冷たい冬の空気に容赦なく包まれるから体が身震を起こした。







「おわ、泰良ぁ?朝からいんの珍しーな」

「………ふぁ、璃香子が起こすんだもん。マジ、()みーよ」


学校に着くて自分の机に伏せれば、赤司に大笑いされる。



「ひゃはは、いーじゃんそれ!毎朝、年上のお姉さんに優しく起こして貰えんだろ?最高じゃん?」


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