儚く甘い
最高で最悪な出会い
『ピピピッ…ピピピッ』
繰り返される機械音。

澄んだ空気はまだ冷たい。
まだ遠い春が待ち遠しくなるような風の香り。

強い風になびく髪を気にしないまま空を見上げるのは白石みわ。

大学の屋上で空を見上げる。

大きく深呼吸をしてから屋上の手すりにかけていた手に力を込める。

ここを乗り越えたら、運命を変えられるだろうか。

自分ではなく、ほかの誰かの運命を。
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