儚く甘い
優しい風の場所
「みわー」
なかなか起きてこない妹を起こすために裕介は、部屋のドアをノックした。
今日は家族が一年に一度、必ず集合する日だ。

隆文と裕介は病院や研究室に泊まることが多い。
家には荷物を持ち帰ったり、みわの調子が悪い時にかわるがわる泊まるくらいで、あまりいない。

でも隆文も裕介も夕べから家に帰り、翌日のために家族で過ごしていた。
忙しい仕事も今日は休みにしていて、緊急の連絡も来ないように協力してもらっている。

「みわ、入るぞ」
返事がない妹の部屋に入る裕介。
さすがに年頃の妹の部屋に入るのはどきどきする。

「声、かけたからな」
そう言って裕介が部屋に入るとみわがまだベッドでぐっすりと眠っていた。
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