儚く甘い
最後の日々
みわはその日からいろいろな検査を受けることになった。
大学は、みわの母が掛け合い、単位を落とすことなく、卒業論文の提出だけで卒業できることになった。

「毎日来なくても大丈夫だよ。」
達哉は大学が終わるといつもみわの顔を見に病室に来る。
大学から遠くはない距離。

夜のバイトをやめたばかりの達哉は、みわの顔を見てから家に帰り、卒業論文や卒業前の試験に向けて勉強をしている。

達哉を心配するみわをよそに、病と前向きに戦おうとするみわに感化されて達哉はやる気に満ちている。

「それは無理な願いだな。」
達哉はみわの話を笑顔でかわしながら、車いすを用意する。
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