追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「しかし、長命なドラゴンがそこまで言うのなら、掘ってみてもいいかもしれない」

「えっ、本当に?」

「ああ。それでもし、宝石が出たら全てララの物にすればいい」

「なっ……」

 にっこり微笑むディオ。信じられず間抜けな顔になる私。そんな私たちのやりとりを「あらあら」と楽しげに見守るヘンルーダ。
 誑かされているのだろうか。宝石を全てあげてもいいだなんて、よっぽど無欲な人か、または、裏がある人しか言わない……と思う。怪しい、すごく怪しい。でも、ディオに裏があったとしても、私に宝石が必要なことには変わりない。大切な飯のタネ、なのだから!

「じゃあ、掘ります! 掘ってみます! たくさん採れても私のもの、ですからね!」

 そう言うと、ディオは何度も頷いた。その表情は子供の駄々に頬を緩める保護者のようで、私は少し恥ずかしくなった。
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