好きだけど、好きなのに、好きだから

佐伯君×バスケット

「集合!」

健と監督が、体育館に入ってきた。

「一年は一列に並んで」

健の指示で、一年生が整列する。

今年は、13人の一年生が入部した。今日の部活は、一年生の自己紹介から始まった。

「一年三組、佐伯 はるか」

男の子で、はるかって名前珍しい……

「189センチ……」

佐伯君の番で、上級生達がざわつく。

「一年で189だってよ」

「よくうちに来たな」

「さっき、優里ちゃんの前でダンク決めたらしいぜ」

「マジかよ」

あれは、私の前じゃない……誠の前だ!

二年生、三年生と続いた自己紹介は私で締めくくられた。

「三年のマネージャーの、橘 優里亜です。よろしく」

「うっす!」

新入生達の元気な返事が返ってくる。

その返事に、胸が期待で一杯になった。

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