好きだけど、好きなのに、好きだから
先輩

*藤森北バスケット部

うとうとを繰り返しているうちに、授業が終わっていた。

席を立って、体をほぐすように背伸びをする。

あー、早くバスケしてぇ。

「ふあーぁ」

あくびをしながら、部室に向かい廊下を歩く。

「こらっ!シャキッとしなさい」

うっ……

後ろから馴染みの声が響く。

麻衣先輩だ。

「あんたって子は。部活以外、ボーッとしてんだから」

麻衣先輩は相変わらずだ。

中学の時と、全く変わってねぇ。

良く叱られたな……と中学の時を思い出してしまう。

「佐伯、変わんねぇな」

麻衣先輩の隣を歩く大さんが、俺の背中を小突く。
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