好きだけど、好きなのに、好きだから
次の日の昼休み。

廊下を歩いていると、前から優里亜先輩が友達と歩いてくる。

先輩の楽しそうな笑い声。

「ちぃす」

挨拶した俺の顔を、じっと見る先輩。

「おはよっ」

ん?

おはようって今、昼だけど……

「ふふっ」

優里亜先輩が、目尻を下げて笑ってる。

ん?

「前の授業、寝てたでしょ?」

!!

何で、先輩知ってんだ?

「おでこ、赤くなってるぞ」

どうりで、俺の顔をじっと見ていたわけだ。

先輩は、見守るような眼差しを俺に向けた。

まるで、子供を見るかのようだ。

母親かよ……
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