望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
13.招待
 「三日後だ。準備しておけ」

 珍しくレイモンドから呼び出されたと思ったら、一枚の封書を投げ渡された。

「中を見てもよろしいのでしょうか」

「かまわん」
 こんなにも会話が続くのも珍しいと思い、目の前に座っている彼を見下ろしてしまった。彼が座って自分が立っているから、見下ろす形になる。それでも、彼の上目遣いの視線が突き刺さる。
 カレンは机の上に投げ出された封書を手に取り、中を開いた。
 招待状、と呼ぶのが相応しいだろう。

「王太子妃殿下主催の社交界だ」

「王太子妃殿下……。行かなければなりませんよね、やはり」

< 111 / 269 >

この作品をシェア

pagetop