望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
31.選択
 城内が慌ただしくなってきた。そろそろ、頃合いだろうか。

「カレン様。お食事の準備が整いましたので」

 と言うケネスも確信犯だ。食事とは何の食事のことを指すのか。

「では、お義母様にお会いできるのね」

「はい」
 ケネスに案内され、カレンが向かった先は食堂ではない。それは、義母の寝室。もちろん、その部屋の前にも護衛がいるが、彼女に気付く前に、彼女の魔法で眠りにつく。

「こんなに弱い者を護衛にしておくなんて、危機感が足りないのではないかしら?」
 ふふっとカレンは楽しそうに笑う。
 ぎっと、その扉を開ける。
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