望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
10.休息
「本日はここまでにしましょう。奥様も勉強熱心で、教える側としてはやりがいを感じます」

「ありがとうございます。それは先生の教え方が上手だから、ですね。とてもわかりやすくて、もっといろいろと知りたくなります」
 カレンが妖艶に笑うと、家庭教師はゴクリと生唾を飲み込む。

「では、次は三日後に」
 平静を装って、家庭教師は部屋を出て行った。

「義姉さん。お茶でも飲みませんか?」
 アドニスが屈託のない笑みを浮かべて、お茶の準備をする。
「ありがとう。ちょうど喉がかわいたところです」

「お腹は空いていませんか?」

「先ほど、パンをいただきましたから。それは部屋に戻ってからいただきます」

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