結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
六章
 ふたりが結婚の意思を告げたときの周囲の反応は、さまざまだった。

「へぇ、社内結婚なの……え、え、えぇ~?」

 早苗はただただ驚愕して、言葉を失っていた。が、特別視することはなく、上司として凛音の体調や仕事を気遣ってくれた。

「社長夫人といっても、広報部にいるからには部下として扱わせてもらうわよ」
「もちろんです」

 龍一と会社のみんなが認めてくれるのならば、凛音はこの仕事を続けていきたいと思っていた。

 初めはメディア対応なんて華やかな仕事……と気後れしたものだが、メディアと会社の橋渡しという役どころは凛音の性に合っていて、やりがいも感じている。

「育休が明けてからでいいけど、今度こそリーダー研修に参加してよね」

 早苗はそう言って、いたずらっぽく笑った。
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