ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

(2)

 あとから知ったが、神力を得て成長したガルは自身の姿を小さく変えることもできるらしい。言われてみれば、リロもいつも小さかったと気付く。

 今日は小さくなれと言ったらとても不服そうにしていたが、結局こうして小さな体になってついてくるところがとても可愛い。本人に「可愛い」と言うと怒りん坊に火が付くので言わないけれど。

「何がおかしい。俺は事実を言ったまでだ。お前の要領が悪すぎるから、バランスを取るためにより優れた俺がお前についてやったんだ」
「ええ、そうね。ありがとう」

 シャルロットが軽くお礼を言うと、ガルはふんと鼻を鳴らす。

「久しぶりにここの庭を散歩でもしてくる」
「ええ、行ってらっしゃい」

 シャルロットはガルの小さな後ろ姿を見送る。
 言葉が通じない間もずっとあの調子でシャルロットに偉そうに説教していたのだろうか。色々想像すると、とってもおかしくなる。

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