婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 王太子妃の実家であるとともに四大公爵家の筆頭で歴史も古く、代々国政を担う宰相や大臣などを務める重鎮の家柄。
 現公爵は宰相の任につき、国王陛下の右腕として活躍なさっていると聞いています。

 ですから、国家の中枢で権勢を誇るローシャス公爵家のお茶会に招待されることは、ステイタスであり名誉であるとも言われているそうです。

 そんな家柄であっても、権力を笠に着ることもなくニコニコと気さくに声をかけてくださる公爵夫人に、アンジェラ様の姿が思い出されて心が和みます。

「娘共々、ご招待いただきありがとうございます。とても光栄なことと楽しみにしておりました」

 お母様が膝を折り挨拶をします。
 私もそれに倣い同じように礼を取りました。

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