キミの魔法にかけられた~隣のデスクの無愛想な後輩が急接近してきて!?~
隣の後輩くん


流行りのクールビズ。半袖のポロシャツからはやけに白い二の腕が伸びる。
長身で細目の体にちょっぴり猫背。明るく染められた髪は全体的に重めで、長めの前髪は目元を半分隠している。

彼は入社したときから、独特な雰囲気を持ち合わせていた。


年下なのに、どこか落ち着いているというか。まぁ、今時の周りに興味ありませんタイプな印象だった。
もっと言えば、いつも私を鼻で笑ってスカしている感じなんだけど。



「ね、ねぇ!どういう事?」

そんな甲斐くんは、私のデスクの隣に座って、早いタイピングをしながらパソコンに目を向けている。


「ねぇ、私の話聞いてる?」

彼のおかげで、会議前にセッティングする事が出来た。
結局、部長には"遅い!何やってんだ!!"とかなりお叱りを受けたけど。



「……先輩、仕事中ですよ」

両手で隣から思い切り肩を引っ張ったところで、やっと甲斐くんが私の方に顔を向けた。


< 6 / 29 >

この作品をシェア

pagetop