赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


「ねぇ。匡さんは私が好きだから結婚したんだと思う?」

じっと見つめて聞いた私に、母はキョトンとした顔をした後、脱力した笑みを浮かべた。

「もちろん。あんなに美織を好きになってくれる人なんて、どこを探してもいないんじゃない? 両想いなのに、ふたりしてずーっと片想いみたいな顔してるから不思議だったのよね」

母が呆れたように言った瞬間にインターホンが鳴った。

母が玄関を開けて迎え入れたのは匡さんで……少し焦っても見えるその顔は、いつか私が『助けて』とすがりついたときと同じに見えた。





< 198 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop